社会福祉法人信愛福祉協会

社会福祉法人 信愛福祉協会について

 社会福祉法人信愛福祉協会は、視力に障害を持つ人たちの経済的精神的自立を助ける目的で、自身視覚障害者であった平方龍男(故人)とその家族、賛同した協力者たちによって昭和29年(1954年)に創立されました。
 当時の日本はまだ障害者福祉の枠組みができていない状態であり、視覚障害者が自立する道も非常に限られていました。信愛福祉協会では、触覚の鋭敏な視覚障害者の適職である「はり治療」の技術の実戦的かつ理論的な育成と、同時にキリスト教の教えに基づいた精神的な錬成を事業の基礎に定め、不充分な公的な福祉施策を超えて、五十年余の間この事業に取り組んできました。
 この期間、日本の障害者福祉施策は長足の進歩を遂げましたが、一方で障害者の自立に関する取り組みに関しては、障害者自身が望む形とのずれがあったことは否めませんでした。国が必要十分と定める「福祉の枠組み」に対して、信愛福祉協会が提供する事業は常に「過度である」という判断が下され、国の施策よりも先を行っていたにも関わらず、公的にはほとんど無視されている状態が続いてきました。
 しかし、一方で真の自立を目指す視覚障害者たちは、国の措置によらず自らの意思で信愛福祉協会の運営する失明者更生施設「信愛ホーム」に集い、現在でもそれぞれにしっかりとした技術を持つはり治療家として日本の各地で活躍しています。
 平成24年度からは、信愛ホームはその事業形態を「身体障害者就労継続支援事業所(A型)」と改め、長年の懸案だった施設の法的位置付けをこれまでより確かなものとできました。この基盤にしっかりと立って、これからも視覚障害者を中心とした身体障害者の物心両面での福祉の向上を目指してまいります。